あるユーザにとっては、目が不自由であるといった理由により、それぞれに見合った支援が必要なことがあります。USB 点字ディスプレイは自動認識します (シリアル-USB 変換経由で接続されているシリアルディスプレイでは自動認識しません) 。しかしその他多くのアクセシビリティ機能は手動で有効にする必要があります。サポートするマシンでは、キーストロークを受ける準備ができるとブートメニューがビープ音を放ちます。BIOS システムでは1回、UEFI システムでは2回鳴ります。その後、アクセシビリティ機能を有効にするために、起動パラメータを付加できます (「ブート画面」もご覧ください)。ほとんどのアーキテクチャでは、キーボードを QWERTY キーボードとして認識することに注意してください。
Debian インストーラーは質問方法にアクセシビリティの異なる複数のフロントエンドをサポートしています: 特に挙げると text
では平文のテキストを使い、一方 newt
ではテキストベースのダイアログボックスを使います。ブートプロンプトで選択できます。詳しくは 「Debian Installer パラメータ」 の DEBIAN_FRONTEND
を見てください。
With the newt
front-end (used mostly with braille), one mostly just selects answers with arrow keys and presses Enter to validate the choice. Pressing Tab or Shift - Tab allows to switch between dialog elements, and notably to access the Go Back
button, which brings back again to previous questions. Some dialogs contain check boxes, which can be ticked on and off by pressing Space.
With the text
front-end (used mostly with speech), one mostly selects answers either by typing their number followed by pressing Enter, or by selecting an answer with arrow keys, and pressing Enter to validate the choice. One can also not type anything and just press Enter to simply accept the default value. Typing <
and pressing Enter brings back again to previous questions. When a selection of choices has to be made (e.g. during task selection), one can type !
to express an empty selection.
USB 点字ディスプレイは自動認識するはずです。その後テキスト版インストーラーでは、自動的に選択され、ターゲットシステムに、点字ディスプレイのサポートを自動的にインストールします。あとはブートメニューで Enter を押すだけです。一度 brltty
が起動すると、設定メニューから点字テーブルを選択できます。点字デバイスのキーバインドは、brltty
のウェブサイト に文書があります。
シリアル接続点字ディスプレイは、(ある種のものを破損する可能性があるため) 安全に自動検出できません。そのため、起動パラメータに brltty=
と追加し、driver
,port
brltty
にどのドライバ及びポートを使用するべきか教える必要があります。driver
を、あなたの端末用の 2 文字のドライバコードに置き換えてください (BRLTTY マニュアル 参照)。port
は、ディスプレイを接続するシリアルポート名に置き換えてください。デフォルトは ttyS0
で、ttyUSB0
をシリアル-USB 接続変換を使う時に一般的に使います。3つ目のパラメータを提供することで使用する点字テーブルの名前を選択できます (BRLTTY マニュアル 参照)。デフォルトは英語になっています。テーブルは、後で設定メニューで変更できることに注意してください。4つ目のパラメータを提供することで protocol=foo
のように一部の珍しいモデルで必要となるパラメータを点字ドライバに渡せます。点字デバイスのキーバインドは、brltty
のウェブサイト にドキュメントがあります。
ソフトウェア音声合成のサポートは、グラフィカルインストーラーがあるインストーラーイメージで利用できます。つまり、netinst すべて、CD・DVD イメージ、netboot の gtk 版で利用できます。ソフトウェア音声合成サポートを有効にするには、ブートメニューで s
Enter と入力します。その後、テキスト版インストーラーが自動的に選択され、ターゲットシステムに、ソフトウェア音声合成のサポートを自動的にインストールします。
複数のサウンドカードが検出された場合、任意のサウンドカードから音声が聞こえた時点で Enter を入力するよう促されます。
最初の質問 (言語) は英語で発声します。それ以降のインストールには選択した言語で発声します (espeak
が有効な場合)。
デフォルトの発話速度は非常にゆっくりです。速くするには、CapsLock+6 を押してください。遅くするには、CapsLock+5 を押してください。デフォルトのボリュームは中間になっているはずです。大きくするには、CapsLock+2 を押してください。小さくするには、CapsLock+1 を押してください。ショートカットについての詳細は、Speakup guide を参照してください。ある質問に対する回答がデフォルト値で良ければプロンプトで単に Enter を押してください。空の値を回答するにはプロンプトで !
を入力してください。前の質問に戻るにはプロンプトで <
を入力してください。
ハードウェア音声合成デバイスのサポートは、グラフィカルインストーラーがあるインストーライメージで利用できます。つまり、netinst すべて、CD・DVD イメージ、netboot の gtk 版で利用できます。そのため、ブートメニューで 「Graphical install」 エントリを選択する必要があります。
ハードウェア音声合成デバイスは自動認識されないため、起動パラメータで speakup.synth=
とし、driver
speakup
にどのドライバを使用するべきか教える必要があります。driver
は、あなたのデバイスのドライバコードに置き換えてください (ドライバコードリスト参照)。テキスト版インストーラーは自動的に選択し、音声合成デバイスのサポートをターゲットシステムに自動でインストールします。
いくつかのアクセシビリティデバイスは、マシンの内部に接続した実際の基板で、ビデオメモリから直接テキストを読みます。動作させるには、vga=normal
fb=false
起動パラメータを用いて、フレームバッファのサポートを無効にしなければなりません。しかし、これにより使用できる言語が減ってしまいます。
テキスト版ブートローダが必要な場合は、起動パラメータを追加する前にh
Enter をタイプしてください。
視力の弱いユーザのために、インストーラーは、より見やすい高コントラストの配色を採用したテーマを使用できます。これを有効にするには、起動画面にて d
ショートカットを押して 「Accessible high contrast」 を使うか、または起動パラメータに theme=dark
を追加してください。
視力の弱いユーザ向けに、グラフィカルインストーラーでは非常に基本的な拡大機能をサポートしています: Control++ と Control+- のショートカットでそれぞれフォントサイズを拡大、縮小します。
Expert モードや Rescue モード、自動化インストールの選択はアクセシビリティのサポートも利用できるようになっています。それぞれの選択肢にアクセスするには最初に ブートメニューで a
を入力して「Advanced options」サブメニューに進む必要があります。BIOS システムを使っている場合 (ブートメニューは一度だけビープ音を鳴らします) は続いて Enter を押さないといけません。UEFI システムの場合 (ブートメニューは二回ビープ音を鳴らします) は Enter を押してはいけません。それから、オプションとして s
を押すと (UEFI システムではなく BIOS システムの場合は、ここでも続いて Enter を押さないといけません)、音声合成が有効になります。それから様々なショートカットが使えるようになります: x
は expert モードでのインストール、r
は rescue モード、a
は自動化インストールです。繰り返しますが、BIOS システムを使っている場合はそれぞれ続いて Enter を押さないといけません。
自動化インストールを選択することで、preseed を使い完全に自動で Debian をインストールできます。preseed のソースはアクセシビリティ機能開始後に入力できます。preseed 自体については 付録B preseed を利用したインストールの自動化 で言及しています。
インストールしたシステムのアクセシビリティについての文書は、Debian Accessibility wiki ページ で利用できます。